専門はなんですか?
建築設計の中の「構造分野」で、建物の土台となる骨組みの部分を担います。建物の中にいる人を台風や地震などから守る設計を行うことはもちろんですが、自由な発想でその建築に最も適した材料を使って空間と融合する構造(骨組み)をデザインしています。それを「構造デザイン」と呼んでいます。
その専門で必要なことってなんですか?
構造だけではないですが、建築の設計は、お施主さんや設計のパートナー、施工者と話し合いながら作り上げる仕事ですので、コミュニケーション力は大事です。構造で言えば、ある程度の計算能力はもちろん必要ですが、建物はどうやって建っているのか力の流れをイメージできることが大事ですね。
その専門ではどのような仕事に繋がりますか?
基本的にはアトリエ事務所、組織事務所、施工者やメーカーの構造設計部で構造設計者になる人が多いですが、意匠設計者、施工管理の仕事に行く学生もいます。 資格も一級建築士の後に専門の構造設計一級建築士を取得でき、住宅から超高層建物のような巨大な建物まで設計することができます。
先生にとっての建築・環境デザインってなんですか?
そこにいる人、その場所、大きく言えば世界を、建築を通してよりよくすることだと思っています。ちょっとしたことでもいいので、何か貢献できないか常に意識しています。
その理由はなんですか?
人と地球は様々なものでつながっていて、その1つが建築だと思います。建築・環境デザインにはその両方に影響を与えることができる力があると思います。私は約30年間、構造分野と通じて設計の仕事に関わっていますが、実際にできた建物をみると感動しますし、素晴らしい仕事だと思っています。
受験生にメッセージをお願いします。
建築の分野は、高校生の皆さんが想像するよりも幅広く多様な世界です。建築家になりたい人もいれば、私のように構造デザインが面白いと思う人もいるでしょう。好きなことや得意なことと照らし合わせて、フィットするものが必ずあると思います。きっと面白いことが見つけられると思いますよ。