専門はなんですか?
「彫金」です。タガネ(鏨)という道具を用いて金属を彫るという意味の名称です。その他にタガネを駆使する多様な表現技法もあるため、彫金は「鏨の仕事」と称される事があります。勿論、現代ではレーザー加工や3D加工、その他の新しい加工等も表現手段として受け入れられています。学生には一定レベルの彫金技法を学んでもらい表現する術を身につけながら自由な制作研究をしてもらいます。
その専門で必要なことってなんですか?
「探究心」が必要だと思います。先達が伝承してくれた素晴らしい技芸の知識を深める事や、現代における表現および可能性を探る事で研究の幅が広がると考えるためです。また、どんどん制作して経験値を高めることも必要です。
その専門ではどのような仕事に繋がりますか?
ジュエリーメーカー(デザイナー・製造部門・アドバイザー)、ジュエリー作家、クラフト作家、伝統工芸作家、アート作家、地場産業系デザイナー・製造部門、大学・専門学校講師 、ジュエリースタジオ等の指導スタッフ、etc。
先生にとっての美術や工芸ってなんですか?
大学時代の僕は美術学部工芸科彫金専攻でしたから美術には大きな幹といった印象があります。その美術から油画、デザイン、彫刻等々に枝分かれし、その1つに工芸がありました。一口に工芸とは言え、鑑賞を目的とする美術工芸品、暮らしの道具として機能性と美を兼ね備えるもの、造形的工芸、アートクラフト等、多様な工芸が存在します。僕の場合は自分自身が楽しめるアートクラフト寄りの制作をしています。
その理由はなんですか?
やはり楽しく長い時間仕事をしていても飽きない事が長続きする秘訣だと思っています。他の分野に進まれた方も長く続けてらっしゃる方は同様の事を言われるかと思います。また、技にはそれぞれ成立する理由がありますので、それを紐解いていくのも楽しい研究となっています。
受験生にメッセージをお願いします。
食事を美味しくいただき溌剌と過ごしましょう。面白い事を見つけたら一所懸命になってみましょう。