岡谷 敦魚

専門はなんですか?

版画(銅版画、リトグラフ、シルクスクリーン)、絵画

その専門で必要なことってなんですか? 

複製することが版画の価値と思われがちですが、複製技術がたくさんある現代においてはそれだけでは価値とは認められません。版からイメージを移し替える時に起こる現象そのものに目を向け、さまざまな思考や技術に応用・発展させることが重要であり、そこに向かう好奇心が必要です。

その専門ではどのような仕事に繋がりますか?   

既存の技術から新しい思考と技術へ応用・発展させる能力は、社会においては様々な領域に応用可能な能力です。アーティストや教育産業などの既存の仕事の枠組みだけではない、さまざまな場での活躍が期待できると思っています。

先生にとっての美術や工芸ってなんですか?

美術は自分自身のパーソナルな想いをとことん深め、掘り下げていく学問です。深めた想いは、同じ時代を生きる他者と通じ合うことがよくあります。これらの深い部分で他者とも通じ合う可能性をも秘めた想い(エンパシー)を形にし、イメージとして表現することが美術だと思っています。

その理由はなんですか?

いま、社会に最も必要とされていることは、多様性を許容するマインドだと思っています。他者と通じ合うエンパシーは、これからますます多様化し分断していく社会をつなぎ止めて、互いに歩み寄る心を育みます。

受験生にメッセージをお願いします。

美術は、多様化していく現代社会に最も必要な、パーソナルなコミュニケーション能力を育む学問領域です。みなさんの自由な発想力こそ、これからの社会に必要な能力だと思います。